気配を消し、隠密行動を遂行する忍にとって、夜の闇は自らの身を隠す恰好の隠れ蓑となる。
プレイヤーが数々の任務を遂行するオープンワールドの舞台は、日本特有の色彩で彩られており、その光と闇は忍道独特の情緒溢れる夜のコントラストを生み出す。
PlayStation Vitaのハイクオリティな表現力を駆使し、闇夜に浮かぶ雅やかな日本の風景が美しくも妖しく描かれる。
時は室町後期――。
一条家の統べる小国・宇高多を巡り、隣国の赤目家、新興寺社勢力の阿無璃他により引き起こされた“宇高多の乱”。
あれから束の間の平穏を取り戻したかに見えた宇高多は、新たな戦火に包まれようとしていた。
一条家の譜代である風天家の家督を継いだ風天寅三郎久秀が、東の大国・芳穣家を後ろ盾として謀反に及び、それに呼応するかのように、阿無璃他も再び決起したためである。
時を同じくして、ひとつの忍の里が消滅した。
風華忍者――同胞の裏切りにより、一夜にして消えた忍衆。
その業火にすべてが焼失したと思われた中、ただひとり、辛くも一命を取り留めた者がいた。
その忍び名を“火祭のゼン”という。
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